陽毬の『心の闇』
『いらない子供』だから・・・
多分最初は可愛がられたんだよ!
でも可愛いが『消費』された・・・
だから捨てられたの・・・
選ばれないということは・・・
死ぬことなの!
さて、『捨てられていた猫』に対し陽毬が『心の闇の部分』を語る所から始まりましたが・・・
2011年7月放送開始アニメ『輪るピングドラム』第20話『選んでくれてありがとう』レビュー♪
早速レビューですが、今回は今まで秘密にされていた『陽毬と晶馬の出会い』が語られました
今の『高倉家』へと繋がる話です・・・
とうとう物語の核心へと迫っていきます
さて冒頭は晶馬達の父・剣山が『今の世界は間違っている』と語る場面からで・・・
『競争社会・弱者無視』を糾弾する剣山・・・
その世界を正すために『集団テロ』を決行する剣山・・・
言っていることは分かりますし理想は高いですがやることは結局テロ・・・
犯罪ですし許されるものではないですね・・・
その頃子供の晶馬は外で遊んでいるとその団地に住む陽毬を見つけます!
ただこの頃の陽毬は今のように目に正気がないです・・・
明らかに何か問題がありそうです・・・
その後も陽毬を見つけて声をかける晶馬ですが・・・ある日2人は捨て猫を見つけます・・・
晶馬は可愛いといいますが・・・陽毬はこの猫を見て冒頭のように『選ばれなかった存在』と切り捨てます・・・
普通の子供の思考ではない陽毬・・・
ただ晶馬はミルクをあげたり可愛がるとそれまで冷たかった陽毬が猫を可愛がりはじめます!
晶馬のおかげで『子供の心』を取り戻す陽毬・・・
すごく温かな気持ちになる場面ですね・・・
しかしその幸福は長くは続かず、マンションの管理人によって猫は処分されてしまいます・・・
その現実を見せ付けられ愕然とする晶馬と・・・せっかく心を開きかけた陽毬は再び心を閉ざすことに・・・
『ルール』によって2人の希望は打ち砕かれます・・・
そして次の日陽毬は『こどもブロイラー』へ行くと書置きを晶馬に残し消えてしまいます・・・
書置きは『母に捨てられた』ことや『晶馬と遊べたことを感謝』する内容・・・切ないですね・・・
だから陽毬は捨て猫と自分を重ねていたんですね・・・
そんな陽毬を晶馬は『自分の家族』として連れ帰ります!
なので陽毬と晶馬と冠葉は『血の繋がっていない兄妹』だったんですね・・・
そういうことだったんだ・・・
さてこれで20話終了ですが・・・『陽毬と晶馬の出会い』の核心回でした!
これで『高倉家の内情』がわかりましたが・・・ラストで『剣山や冠葉』がまた何か行動を起こしていきそうな流れでしたね・・・
次回が気になります!
あと今回は『ウテナ』で作画監督をされていた林明美さんが『絵コンテ・演出』をされていましたが『幾原ワールド』を上手く表現していましたね!
さすが『ウテナ』の時から幾原作品を制作しているだけあって構成も面白く引き込まれました!
温かくも切ない展開を生かしてましたね!
そして以前から書いてますが以前幾原監督がインタビューで語っていましたが『12年ぶりの新作』を作るにあたりとしては『サブテーマ』がり・・・
娯楽作品ですし、基本的には純粋にキャラクターを楽しんでもらいたいと思ってます
その上でサブテーマとして『自分がなぜこの作品を作ろうと思ったか?』ということですよね
ちょっとだけ言うと『自分の世代』と『この作品の主人公』のような十代半ばの子供達とは『断絶』があると感じているんです
それが何かを明らかにした上で『お互いをつなぐ希望になるような作品』にしたいと思ってます
最終的に上手くいくかわかりませんが、自分がこの作品を作る理由はまさにそこにあります
とのことで『幾原監督世代と若い世代との融合』がこの作品のサブテーマとしてあるようですが・・・
私的な想定では今の高校生以下にはほぼ記憶がないであろう16年前に起きたこうした『テロ事件』を知ってもらい風化させないことと・・・
それを乗り越えていく苹果達遺族の話と主犯の子供たちである晶馬達の話を幾原監督風にアレンジしていく感じになりそうですね
こういう目線でアニメを見るとまた違った見方がありそうです
いずれにしても『これまで誰も見たことがないような作品を目指す』といわれているほどの意欲作ですし・・・
今後の展開も期待してます!
このアニメの『行き着く先』をさらに見届けたくなりました!
ではまた!
おまけ
その目線でいくとそして以前ご紹介しました『試運転マニュアル』ですが・・・
そこに『運命日記』と『生存戦略』の関連性について書かれている内容もリンクしてくるかな?
この本はこの作品を見るのに重要なアイテムのようです!
で、前回もご紹介しましたが、そこには『運命』と『生存戦略』について書かれていて・・・
運命 : 本人の意思には関係なく、その人生を左右する『超自然的な力』
生存戦略 : 一般的に生命の進化の過程で身に付けた『生き抜くための術』
となっていて一見相反するようにも見えますが・・・
共通点としては『あらかじめ決められた抗いがたい力』ということのようです
ここでこの件についていろいろ考察しますが・・・
高倉家と苹果は『運命』を違う解釈で捉えていて・・・
高倉家 : 『運命』は陽毬の命を奪ってしまう憎いもの
苹果 : 『運命』は幸せになるための絶対必要なもの
という風に同じ『運命』でも捕らえる人によってはぜんぜん価値が変わってしまいます・・・
『運命』は全てにおいて平等ではないですからね・・・
そんな中で『この4人が出会った理由』は『事件の関連性』と分かりましたが・・・
今回渡瀬も語っていた『ピングドラム』が何かですが・・・まだ分かりません・・・
今後も考察していたいと思います!
『オリジナル作品』って先が見えない面白さがあるのが魅力ですが・・・
それ以外にもこうして『視聴者に先の展開を考えさせる』ことで『視聴者の考えも進化させる』という魅力があるんじゃないかと思います!