もしかしたら僕が作った野菜を食べて
誰かが元気を出してくれて
そして将来凄い人になるかもしれない!
そうじゃなくても、『明日もまた頑張ろう!』と思ってくれるなら…
きっとそれが『未来の景色』に繋がっているんだと思う!
僕はそんな『力のある作物』を作りたい!
だから続けているんだと思う!農業を!
アニメ『のうりん』第7話
畑耕作のセリフより
さて『丹精こめた作物』が病気や天候によりダメになり報われないことに対して嘆く林檎に対し、耕作が『農業の続ける意味』を伝える『のうりん』らしいシーンからはじまりましたが…
私的注目度5位: のうりん 7話レビュー
異色の『農業』を題材にしたラノベで、『みんなで選ぶベストラノベ2011』コメディ部門第1位作品のアニメ化です
製作スタッフ
原作:白鳥士郎
原作イラスト:切符
監督:大沼心
シリーズ構成:横手美智子
シリーズ構成:横手美智子
キャラデザ:小野田将人
アニメ制作:SILVER LINK.
キャスト
畑耕作:浅沼晋太郎
木下林檎:田村ゆかり
中沢農:花澤香菜
さて、今回は林檎が『丹精こめた大豆』が『白絹病』によってダメになってしまう描写から…
せっかく作った作物がダメになり報われないこともある…
農業を行う以上避けては通れない問題です…
そして落ち込む林檎に対して耕作は
農業をしていて『嬉しい』ことも『楽しい』ことももちろんあるよ
それでも農業をする人が減るってことは…
報われることが少ないからだと思う…
必死に働いたからってそれほどお金が稼げるわけではない…
収入だって不安定だ…
と、耕作も『農業を続ける理由』をまだ見つけられていないと告げます…
実際農家数が減っているのは事実ですし、耕作のいうように『農業は大金を稼げる仕事』でもないのは事実ですからね…
ここは非常に考えさせられる描写でした…
その後、雨が降り出し『トマトが水を過剰吸収し破裂』してしまう状況になり…
再び林檎は『トマトを作っても天候次第で報われない』という体験をしてしまいます…
先の大豆を含め『報われない』ことを嘆く林檎…
そんな林檎を見て耕作は林檎を屋上に連れて行き、町の景色を見せると…
この景色は幾世代もかけて『過酷で残酷な自然』と戦って築きあげてきた結果であり、その意思は現在ここで住む人達に繋がっていることを伝え…
冒頭の言葉にもありように、農業も『未来に繋がって』いるからこそ続けていくんだと林檎に語る耕作!
農業は『生きる人の糧』になる作物を作る仕事ですし、『農業の誇り』を感じる言葉で感動しました…
最後はその耕作の言葉に対し林檎はアイドルだった頃、悩んでいた時に『耕作からもらった野菜』を食べて元気を出していたことを伝え…
その味を『命の味』と思った林檎はこの高校に来たことを告白します!
耕作の意思がまさに林檎に届いていたことがわかりますね…いい描写でした!
ちなみに原作では雨でトマトが裂ける話は『子供の頃の耕作の回想』になってまして、アニメでは学校版に置き換えてましたが…
原作の丹精こめたトマトが裂け汁が大地に流れ出る悲しみを語る耕作の場面を、裂けてもジャムなど別用途にできるという今回の学校版に変えたのは『意思のある改変』で良改変だと思いました!
原作は『作物が失われる悲しみ』、アニメ版は『規格外でも用途がある』という両面でのアプローチは、『農業』には両面があることを示している好例だと思いました
さてそんなこんなで7話終了ですが、4話に続きこれぞ『のうりん』らしい話で素晴らしかったと思います!
そしてあくまでこの作品は『ライトな農業』を趣旨としてますし、この流れでいいと思います!
あとはところどころ今回のように『農業の現状』を混ぜてくると思いますので、そういうところだけ『キッチリ』伝えてくれればいいと思います!
ではまた!
おまけ
あと原作では耕作が『農業』に対して
今の時代何が何でも農業をやらなきゃいけないわけじゃない
他にも大切な仕事はいくらでもあるからね
大げさに言ったところでこの国の農業生産を全て合わせたところで『トヨタ1社分』にも遠く及ばない
豊かな日本を支えているのは農業じゃない
むしろ農業は他の産業で稼いだお金を補助金という形で恵んでもらっている
だけど『誰かがやらなきゃいけない仕事』だと思っている
どんなに時代が進んでも、どんなに豊かになっても…
食べるものがなかったらお腹が減って死んじゃうんだから
と冷静に日本農業の取り巻く環境を分析していましたが、非常に考えさせられる話でした…
こういう部分はアニメではディープすぎて『語られない』部分ですし、原作で補完していくのが良いと思います
『メディアの違いを理解せよ』という言葉がありましたが、この作品は『アニメと原作』の役割分担がうまく調整できていると感じています
あと私的に思うのは、多分今回のような『シリアスメイン』だとここまでファンの裾野は広がらなかったと思います!
コメディの中にこうした『事実』を入れてくるのが上手いですし、必ず原作やアニメを見た方にいろんなことを考えさせてくれる作品になると思います!
そして『ラノベベース』ですので読みやすいですし…是非とも原作も多くの人に読んで欲しいです!