勘がいい人は1話を見て気づくと思うんですよ
主人公たちの家族構成や作品の舞台
そのほかのさまざまなディティールを見たときに『あれ?』って
そこから見えてくるものが、自分と十代の子をつなぐものだったりするんですけれど
そういった部分もちょっと気にしてもらえると、また違った楽しみ方ができるのではないでしょか
『輪るピングドラム』監督 幾原邦彦
試運転マニュアル『インタビュー』より
さて今回は『幾原監督がこの作品を作ろうとしたきっかけ』についての言葉から始まりましたが・・・
『輪るピングドラム』の『試運転マニュアル』という本についてお話を!
『ウテナ劇場版』から12年ぶりの幾原監督の新作で・・・幾原監督の『斬新な構成』が大好きなMr.Tにとっては『待ってました!』の期待の作品です♪
さてこの本は『試運転マニュアル』ということで・・・
・2話までのダイジェスト
・キーワードの解説
・キャラクターガイド
・メインキャスト座談会
・『幾原監督&星野リリィ』対談
・バンクシーン絵コンテライブラリー
などの構成で作られています!
アニメで謎の部分が補完されている形で面白いです!
この中で特に興味深かったのが『幾原監督&星野リリィ』対談でした!
詳しくは購入して読んでいただきたいのですが、私的に気になった幾原監督のインタビュー内容を抜粋しますと・・・
キャラデザ設定
星野さんの絵には『まとめられてない感』がある
まとまっていると格好はいいが『どこかで見たようなもの』になってしまう
星野さんの絵はそこをちょっと外しながらも流行のラインもある程度押さえている感じのアクセントの利かせ方が素晴らしい
アニメ構成
『見ていて飽きない』ということはすごく意識している
それに『今までにないミステリー表現』をしたいとも思ってます
『可愛いのか怖いのか』
『笑えるのか泣けるのか』
というふうな
個性の出し方
ものづくりをしている人の多くが直面することで『初期の段階で否定される』ことがあると思うんです
たとえば『同人誌を作ったけど誰も買ってくれない』とか『編集部に漫画を持ち込んだけどボツになった』とか
でもその『違います』という反応に『どう対応するのか?』の積み重ねじゃないかな
『じゃあ、もっとみんなに求められているものを』と思って学習するのが基本なんだけど
何かを取捨選択する過程で『絶対に捨ててはいけないもの、残しておくべきもの』を探っていくことも重要なんですよ
自分も若い頃に『お前の仕事は下手糞だよ』ってずいぶん言われたことがあるんです
その時に『もっと効率的に上手く仕事をするテクニック』を磨けばよかったんでしょうけど
自分の中ではその『下手な部分が大事であり愛しかった』んだよね
だからそこは嘘をついてでも守りたかった
結局、それが今現在の『自分の個性』になっていたりするんです
などが幾原監督のインタビューで書かれていたのですが、
特に『個性』の部分は以前ご紹介した『水曜どうでしょう』の藤村Dの著書『けもの道』でも同じように『味を守るのは僕ら自身』と書かれていましたし・・・
やっぱり『個性』が光る人たちには共通した『信念』があるんだなぁと思いました・・・
そして冒頭の言葉にあるように『12年ぶりの新作』を作るにあたり幾原監督としては『サブテーマ』があるようで・・・
娯楽作品ですし、基本的には純粋にキャラクターを楽しんでもらいたいと思ってます
その上でサブテーマとして『自分がなぜこの作品を作ろうと思ったか?』ということですよね
ちょっとだけ言うと『自分の世代』と『この作品の主人公』のような十代半ばの子供達とは『断絶』があると感じているんです
それが何かを明らかにした上で『お互いをつなぐ希望になるような作品』にしたいと思ってます
最終的に上手くいくかわかりませんが、自分がこの作品を作る理由はまさにそこにあります
とのことで『幾原監督世代と若い世代との融合』がこの作品のサブテーマとしてあるようです!
こういう考え方も参考にしながらアニメを見るとまた違う面白さがありそうですね!
いずれにしても『これまで誰も見たことがないような作品を目指す』といわれているほどの意欲作ですし・・・
今後の展開も期待してます!
あとこの本は面白いですので是非とも多くの人に読んで欲しいです!
ではまた!
おまけ
そういえばこの本の中では『バンクシーン』の絵コンテがあったのですが・・・
想像以上にかなり書き込まれていました!
やっぱりあれだけのバンクになると絵コンテも気合が入ってます!
以前『あの花』1巻特典の『長井龍雪監督絵コンテ集』を取り上げましたが・・・
やっぱり絵コンテがいいとそれがアニメに上手く反映されるのが良く分かります!
こういうセンスがある方が羨ましいです・・・
あとメインキャストインタビューですが、ヒロインの『荒川美穂』さんは綺麗です!
何か『テレ東の大江アナ』に似てる気がするんですよね♪
この作品が『初アニメ出演』のようですし・・・今後も期待したいと思います!