『理不尽への叫び』
どうしてだよ・・・
何も望んでなんか・・・ないじゃないか!
さて、加害者家族の『罰』に対する晶馬の『普通の生活もさせてくれない理不尽さ』の苦痛を叫ぶ声から始まりましたが・・・
2011年7月放送開始アニメ『輪るピングドラム』第18話『だから私のためにいてほしい』レビュー♪
早速レビューですが、今回は多蕗の『過去』と『高倉家への復讐』がメインとなり・・・
『憎しみが憎しみを生む連鎖』の形と辛い展開でした・・・
多蕗は命の恩人だった桃果を高倉家の父のテロで奪われたことで『復讐』を行います・・・
その復讐方法は高所に宙吊りとなっている陽毬の台車のワイヤーを一本ずつ破壊していき・・・
最後は多蕗がワイヤーをすべて破壊し冠葉が陽毬のために自らの身を犠牲にしてワイヤーをつなぎとめます・・・
腕がちぎれそうになりながらも妹の為に体を張る冠葉・・・
そんな冠葉に対し陽毬は今までの冠葉の献身さを感謝し『自分が落ちるので冠葉が生き残って欲しい』と告げると・・・
陽毬は台車から飛び降りようとします・・・
お互いを思いやる言葉が切なくなるシーンです・・・
そんな復讐ですが最後は多蕗が陽毬を助けて復讐終わりです・・・
体を張って陽毬を守る冠葉の姿に・・・多蕗は桃果が自分を助けてくれたシーンを重ねたからこそですね・・・
最後の最後で人の心を取り戻す多蕗・・・
そして最後は駆けつけた晶馬が冒頭の言葉にあるように『多くを望んでいないのに何でこんなに罰を受けなければならないか?』と自暴自爆になりますが・・・
苹果が晶馬に優しい言葉をかけます・・・
温かい光景ですね・・・EDの優しい歌声とあわせて涙が出てきます・・・
さてこれで18話終了ですが・・・多蕗の『過去』が明かされた回でした!
そしてこれからが『本当の真実』が語られていきそうです!
次回が気になります!
あと前回書きましたが以前幾原監督がインタビューで語っていましたが『12年ぶりの新作』を作るにあたりとしては『サブテーマ』がり・・・
娯楽作品ですし、基本的には純粋にキャラクターを楽しんでもらいたいと思ってます
その上でサブテーマとして『自分がなぜこの作品を作ろうと思ったか?』ということですよね
ちょっとだけ言うと『自分の世代』と『この作品の主人公』のような十代半ばの子供達とは『断絶』があると感じているんです
それが何かを明らかにした上で『お互いをつなぐ希望になるような作品』にしたいと思ってます
最終的に上手くいくかわかりませんが、自分がこの作品を作る理由はまさにそこにあります
とのことで『幾原監督世代と若い世代との融合』がこの作品のサブテーマとしてあるようですが・・・
私的な想定では今の高校生以下にはほぼ記憶がないであろう16年前に起きたこうした『テロ事件』を知ってもらい風化させないことと・・・
それを乗り越えていく苹果達遺族の話と主犯の子供たちである晶馬達の話を幾原監督風にアレンジしていく感じになりそうですね
こういう目線でアニメを見るとまた違った見方がありそうです
いずれにしても『これまで誰も見たことがないような作品を目指す』といわれているほどの意欲作ですし・・・
今後の展開も期待してます!
このアニメの『行き着く先』をさらに見届けたくなりました!
ではまた!
おまけ
その目線でいくとそして以前ご紹介しました『試運転マニュアル』ですが・・・
そこに『運命日記』と『生存戦略』の関連性について書かれている内容もリンクしてくるかな?
この本はこの作品を見るのに重要なアイテムのようです!
で、前回もご紹介しましたが、そこには『運命』と『生存戦略』について書かれていて・・・
運命 : 本人の意思には関係なく、その人生を左右する『超自然的な力』
生存戦略 : 一般的に生命の進化の過程で身に付けた『生き抜くための術』
となっていて一見相反するようにも見えますが・・・
共通点としては『あらかじめ決められた抗いがたい力』ということのようです
ここでこの件についていろいろ考察しますが・・・
高倉家と苹果は『運命』を違う解釈で捉えていて・・・
高倉家 : 『運命』は陽毬の命を奪ってしまう憎いもの
苹果 : 『運命』は幸せになるための絶対必要なもの
という風に同じ『運命』でも捕らえる人によってはぜんぜん価値が変わってしまいます・・・
『運命』は全てにおいて平等ではないですからね・・・
そんな中で『この4人が出会った理由』は『事件の関連性』と分かりましたが・・・
今回渡瀬も語っていた『ピングドラム』が何かですが・・・まだ分かりません・・・
今後も考察していたいと思います!
『オリジナル作品』って先が見えない面白さがあるのが魅力ですが・・・
それ以外にもこうして『視聴者に先の展開を考えさせる』ことで『視聴者の考えも進化させる』という魅力があるんじゃないかと思います!