今回は『アニメとマーケティング分析』についてのお話です
『マーケティング』はアニメの世界に限らず『ビジネスでは重要なファクター』ですので…
『このブログならでは』の『マーケティング方式』を考察してみます
さて、まずは今回『何でこの特集を組んだのか?』の説明ですが…
『Yahoo』のニュースで大手アニメ制作会社の『マングローブ』倒産の噂という記事を見たからです
ついこの間まで『GANGSTA.』を放送していたのに公式HPも繋がらない状況とのことで驚きました…
そして今回の出来事と、以前押井守監督が『今のアニメ』についてオタクの消費財という記事が繋がっていると思い『マーケティング目線』で考えてみました
客観的な『マーケティング分析』の目線で今のアニメはどうなっているのかを検証してみようと思ったからです
さて今回は『製品ライフサイクル』での検証ついてお話しようと思います!
『製品ライフサイクル』は普通の企業でも取り入れている『マーケティングの基礎手法』ですが…
今回アニメに当てはめてみます
で、『製品ライフサイクルって何?』と思われる方がいるかもしれませんが…
要はアニメで言えば『現在のアニメのライフサイクルがどの位置にいるのか?』を確認し、今後の展開を考えていくとうことです!
こうすれば客観的に流れを見ることが出来ます
さてその『ライフサイクル』ですが4つの分類があり…
図で表すと下記のようになるのですが…
その4つの分類それぞれの特徴をピックアップしますと…
1.導入期
市場 : 小さい
売上・利益率 : 小さい
強豪 : ほとんどいない
マーケティング目標 : 市場の拡大
マーケティングの重点 : 製品認知
2.成長期
市場 : 急成長
売上・利益率 : ピーク
強豪 : 増加
マーケティング目標 : 市場浸透
マーケティングの重点 : ブランド
3.成熟期
市場 : 低成長(限られた市場の取り合い)
売上・利益率 : 維持or低下
強豪 : 多い(各社特徴を持った競争)
マーケティング目標 : シェア維持
マーケティングの重点 : 差別化
4.衰退期
市場 : 低下
売上・利益率 : 低下
強豪 : 減少
マーケティング目標 : 生産性の確保
マーケティングの重点 : ライン縮小・マニア確保
というのが特徴なのですが、先にお話しました『今のアニメ産業』を4つの分類に照らし合わせますと
『今のアニメ産業』は『3.成熟期・後期』にいるのではないかと思います
そして『押井監督』が『攻殻機動隊』などメインを張っていた時期はアニメ産業がピークを迎えた『2.成長期』だと思います
ですのでここで議論すべきことは『成熟期・後期』に差し掛かってしまったアニメ業界を…
次の『衰退期』に移行させずに『新規顧客を開拓』し、再び『成長期を生み出すにはどうしたらいいのか?』を議論すべきなんだと考えます
『押井監督』の危惧は本来ここにあるんだと思います
ただ押井監督が危惧している『今のアニメはオタクの消費財』と言う言葉に現れているように、
私的にアニメ産業が『衰退期』を迎える『予兆』を感じるているのも事実で…
1.安易な『エロ・ハーレムもの』が乱立している
どの作品とは言いませんが『手っ取り早くアニメオタクを抱え込もう』という製作者サイドの意図が見え隠れ…
*特にラノベのアニメ化にはこういう作品が多いです…
2.一般人が見れない『深夜帯』の放送の増加
昔はゴールデンタイムで放送していたアニメが深夜に移行し、放送時間自体が『一般向け』を意識していないので新規の顧客が増えない(完全にアニメオタク向け)。
そのため限られた市場の取り合いになってしまう
(円盤を買う購買層は大きく変わらない)
3.人気原作の枯渇
過去漫画雑誌のトップに立っていた作品をどんどんアニメ化したため、弾が残っていない。
なので原作ファンをターゲットにした円盤販売に結びつかない
4.アニメ制作会社の倒産←今回
結局現在の限られた市場をアニメ業界で取り合っている状況では、構造上、弱肉強食のようになってしまい、資金力のないところから淘汰されてしまうことになってしまう
と、今のアニメ作品がいわゆる『アニメオタク』向けに特化してきている点など課題を出してみましたが、そうなってくると人気原作が枯渇する中、成長するための要素としてはそれを逆手にとって…
1.骨太なオリジナルアニメの拡充
『Angel Beats!』『まどか☆マギカ』『あの花』の出現から見直され始めた『骨太なオリジナルアニメ』の拡充による新規視聴者の獲得
2.異業種とのコラボ
『ガルパン』『艦これ』(ミリタリー系)などといった既存のアニメファン以外からアニメに流れ込む人を増やす
3.地域密着作品の制作
『あの花』『ガルパン』といった地域性をうまく組み合わせ、その地域の人に見てもらう作品を作る
4.夕方や22:00~0:00の時間帯のテレビアニメを増やす
これで一般視聴者にもアニメを見てもらえる機会が増える
(一部MXで取り組みが始まっていますね)
5.『劇場版』などテレビアニメ以外の可能性
劇場版であれば『入場チケット&グッズ&BD』と製作側もいろいろな展開が出来ますし…
シネコンとしても『需要の見込めるorリピートの多い』アニメ作品はありがたいお客さんでしょうし、こうした新たな流れが今後どんどん生まれていく可能性がある
などが再びアニメ業界を成長させるキーワードだと思います
ただ『これが正解』というのはないのでそこが難しいんですけどね…
まだまだキーワードはいくつもありそうです
さて今回は『ライフサイクルとアニメ業界』についていろいろ考察してみましたが…
やっぱりアニメ業界を再び成長期に持っていくためには『作品の内容が良い』ことも重要ですが・・・
いかに一般視聴者層に『アニメを見てもらって価値を認識』してもらえるかが重要だと思います
Mr.Tも『アニメを取り上げるブログ』として今後も微力ながら『面白いと思った作品』を紹介してその作品に寄与できたら嬉しいです
ではまた
おまけ
Mr.TもBDを出来る限り買いたいところですが、金額も金額ですし、財布の中身には限度がありますので『本当に買いたい作品』以外買えないのは辛いところですね…
そして財布の中身の奪い合いは『アニメ業界』だけでなく『スマホ』『ソーシャルゲーム』などもあるんですよね…
さんまさんが『テレビの敵はスマホ』と言われている記事がありますが、もはや敵は同業種とは限らないんですよね…そういう意味でもアニメ業界は個別ではなく、特に資金的に厳しい会社は『組織化』したほうが良いんじゃないかなぁ…と今回のマングローブの件を見て思いました…