今期は『伊東市:あまんちゅ!』『沼津市:ラブライブ!サンシャイン!!』と、静岡県が舞台になったアニメ作品が同時に放送されています
あまんちゅ!は『ダイビング』、ラブライブ!サンシャイン!!は『アイドル』とジャンルは違うものの、海を舞台にした作品です
海を舞台にした作品というと『ガルパン』の大洗を思い出しますが、聖地巡礼作品としても魅力的な2作品です
実は伊東市と沼津市は距離が近いというも不思議な縁ですね
さて聖地巡礼作品ですが、成功への鍵として以前『アニ玉祭』で『アニメ・マンガの聖地サミット』での実際に成功した地域の皆さんの言葉をご紹介しますが…
サミットでは『アニメ舞台地の現状』として
茨城県大洗町・常盤さん: ガルパン
(上野から特急を使い85分)
久喜市鷲宮・島田さん : らき☆すた
(大宮から40分)
富山県南砺市・山口さん : 恋旅・true tears
(北陸新幹線で東京から高岡経由で140分)
埼玉県秩父市・中島さん : あの花
(池袋から特急を使い80分)
と、4つの『大成功の聖地』から来た皆さんが、作品作りの地域側の裏側を話してくれました
よく見ると、成功している聖地巡礼作品は、ほぼ東京から2時間圏内になっているのがわかります!ここも『多くの人に来てもらうポイント』なのかもしれませんね
まずは『放送後の街の反応』について4人が話されていましたが…
南砺・山口さん : trur tears
富山でtrue tearsが放送されていなかったので、いきなり人がいっぱい来てビックリした。TV放送開始までP.A.WORKSが南砺にあることを知っている街の人は少なかった。
そして看板などを撮るアニメファンのマナーが良く、地元の人たちに受け入れられたのも大きかった
大洗・常盤さん : ガルパン
放送が始まったとき放送局が『東京MX』で大洗で見れず、BS11やバンダイHPを見れない年配の人が多く、見る手法が限られていたので街の反応を心配した。
ただ元々サーフィンの町で、商店街を水着で歩くような場所だったので、最初ガルパンファンは『軍服』の人もいたが、そうした水着の免疫があったので商店街の人は軍服でも普通に受け入れられる下地があった
戦車に目が行きがちのため、役所への説明も『戦車がボール』みたいな乙女が嗜むスポーツですと言って理解してもらった
秩父・中島さん : あの花
フジテレビ系列で全国ネットだったが、町の中心の年配の人は22時には寝てしまうのでノイタミナまで起きておらず、市民の反応はほとんどなかった。
ただ2011年の震災後に放送になったため、一般の観光客は震災後に秩父へ来ない状況の中、逆にあの花を見た若い人たちが秩父に来るようになったことで街の人たちが一目置くようになった
あと秩父は元々お祭りが盛んのため、イベントが受け入れられやすい下地があった
鷲宮・島田さん : らき☆すた
アニメの放送後に聖地巡礼が起きていることに地元の人がビックリした
まだ聖地巡礼というものがそれほど盛んではない状況で、アニメファンというと『いろいろ問題があるのではないか?』という誤解を持っている人たちがいた
ただ幸いにも町のお偉いさんがアニメに理解がある人だったことで、そういう誤解を解いて回ってくれたり、鷲宮に訪れるアニメファンのマナーが良いので地元の人たちの心象が変わって好意的になった
と、各地さまざまな反応があったようですが、4名共通することとしては『ファンのマナーが良かった』『放送後にこれほど反響が起きるとは思わなかった』というのが印象的でした
やっぱり最後は『人』ですので、アニメファンが聖地を大切にすることや、マナーが良いというのは聖地巡礼の成功と地元の方の理解のためには欠かせないことだと再認識しました
そして『潮目が変わった』こととして
秩父・中島さん : あの花
龍勢祭りに『あの花の龍勢』を上げようと実行委員会で話し合われたが、伝統ある龍勢祭りで特別扱いできないということで『上げる順番』をくじで決めたが、一番盛り上がる『13時』をあの花が奇跡的に引きあて、会場もファンが大勢来て盛り上がったことで、次年度は『あの花に13時の枠を取る』という話になった
8万人から11万人と3万人増えたのは『あの花効果』で、だからこファンとスタッフは『もちつもたれつ』の関係なんだと思う
鷲宮・島田さん : らき☆すた
伝統の土師祭で、それまで見るものだったが、らき☆すた神輿で『参加するもの』に変わってから大きな盛り上がりを見せた。
最初は掛け声も恥ずかしそうにしていたが、掛け声が『らき☆すた風』になった瞬間に大変な盛り上がりになった
鷲宮のコンセプトはそうした祭りに参加することで『主役になれる街』
南砺・山口さん : trur tears、恋旅
true tearsは意図的に行政や街は参加していなかった。恋旅では『後編を見るために南砺に来てください』という形式になっていて、舞台を巡って楽しんでもらう趣向になっている。
見るだけでは『良い作品だったね』で終わってしまうが、実際に来てもらうことで実際に舞台を感じて欲しい。南砺は首都圏や京阪から遠いからこそ、来てくれたときに楽しんでもらうようにしたい
大洗・常盤さん : ガルパン
放送前はどれくらいの規模になるのかわからないためコソコソ準備をやっていた。ただあんこう祭で大勢の人が集まったことで手ごたえを掴んだ。
町の人たちはキャラを良く知らないのでパネルをバンビジュにお願いして作ってもらい、お店において名前を知ってもらうところからスタートした。ただ店に来るガルパンファンがお店の人にキャラのことを説明してくれることも助かった
ほしいもを食べる会長のパネルのお店は水産店だが、キャラの影響でほしいもを置くようになったりと変化がでている
缶バッチは業者に頼んで大量生産するのではなく手作りで作っている。今や20万個製造しており、その収益をまた町に還元できるのも良い循環になっている
と、各地『手ごたえ』を掴んだのはいろいろな場面のようですが、秩父の話は非常に感動的でしたし、13時のくじを引いたのも『運命』だったのかもですね
南砺の『遠いからこそできること』や大洗の『ファンとお店の人の親睦』でいろいろ変化が起きることも非常に興味深かったです
そして最後は『聖地に方程式なし』という言葉と『ファンの心を掴むための何かとは?』という最後の問いに対し…
南砺・山口さん : trur tears、恋旅
『地域が温かくファンを迎える体制作り、おもてなしの心』が大切で、ファンには地域を好きになってほしい
大洗・常盤さん : ガルパン
『遊びの心』が大切だと思う。遊びとは楽しむことで、ファンも町の人も楽しむことが大事だと思う
秩父・中島さん : あの花
『ファン・制作会社・地元』という三角関係が大切でファンには秩父を好きになってほしいし、あの花スタッフで秩父を舞台にした新しいアニメを作ると言う話なので、また盛り上げていきたい
鷲宮・島田さん : らき☆すた
ファンと地元の『WINーWIN』の関係が大切。鷲宮に行けば充実した気分になれると思ってもらえると嬉しい
と、皆さんが『聖地が出来あがる上での大切な考え方』を言われていましたが、改めて作品の舞台となった場所の『受け入れる体制の準備』と、実際に行くファンの『マナーの良さ』が合わさって、はじめて聖地巡礼は成功することを感じましたし…
『あまんちゅ!』『ラブライブ!サンシャイン!!』も聖地巡礼作品として成功するといいですね
ではまた!
おまけ
アニメは売り上げも大事だと思いますが『らき☆すた』や『ガルパン』のように
舞台になった場所に『聖地巡礼』がおきることで地域振興することもできるんですよね!
それは売り上げだけは計れない『地域への貢献』になりますよね
そして聖地巡礼は経済的にも地域活性に繋がりますしぜひとも増えていて欲しいですけれど・・・
『マナーを守った聖地巡礼』にしないといけないですね!
その土地にはもちろん実際に生活している人もいるわけで、そこは気をつけないといけないですし、そういうことを守った上で楽しんでもらいたいと思います!